枯声
からごえ
名詞
標準
文例 · 用例
皺枯声が、風でぱっと耳に当ると、三四人立騒ぐ女の中から、すっと美しく姿を抜いて、格子を開けた門口で、しっかり掴まる。
— 泉鏡花 『歌行燈』 青空文庫
」と皺枯声、「いえさ、ちと御聞き申したいんで。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
」と疵を押え、血眼になりて、皺枯声を振絞り、「もう一抉で死にます。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
』叔父は笑ひ乍ら、『ふゝ、俺のやうな皺枯声が誰に聞えるものかよ。
— 島崎藤村 『破戒』 青空文庫
そこここと見廻して、「源は来やせんか」と母親に皺枯声で尋ねる。
— 島崎藤村 『藁草履』 青空文庫
ましてや夕方近くなると、坂下の曲角に頬冠りをした爺が露店を出して魚の骨と腸ばかりを並べ、さアさア鯛の腸が安い、鯛の腸が安い、と皺枯声で怒鳴る。
— 永井荷風 『監獄署の裏』 青空文庫
ユウに属する権利は、全力をあげて保護してやるから安心しなさい」 と浪花節調の裏枯声で言った。
— 久生十蘭 『あなたも私も』 青空文庫
可哀想にお万は、親の悪心のために、罪もなくて死んでしまったのだぞ」「嘘だッ」 半九郎は立ち上がって、自分の喉を掻きむしりながら皺枯声で叫ぶのです。
— 雛の別れ 『銭形平次捕物控』 青空文庫