雌狼
めすおおかみ
名詞
標準
文例 · 用例
上方のおんなに、どんなにしッこしが無いか知れないが、江戸のおんなは、思い立てば屹度やるのさ」 雪之丞、淫らな雌狼にでもつけまわされているような怖れと、煩わしさとに、一生懸命おさえていた、殺気が、ジーンと衝き上って来た。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
雌狼一つ鉄という男に飛びかかりたるを、ワッポロを脱ぎて腕に巻き、やにわにその狼の口の中に突き込みしに、狼これを噛む。
— 柳田国男 『遠野物語』 青空文庫
草原の牝狼が、白けた冬の月の下で飢に悩みながら一晩中|凍てた土の上を歩き廻る辛さを語ることもある。
— 中島敦 『狐憑』 青空文庫
草原の牝狼が、白けた冬の月の下で飢に惱みながら一晩中|凍てた土の上を歩き廻る辛さを語ることもある。
— 中島敦 『狐憑』 青空文庫
しかしブランカにしてもまさか猟師を見そこなって別のものだと思うほど、嘗て鉄砲の匂いをかいだこともないという牝狼でもないでしょう。
— 一九四三年(昭和十八年) 『獄中への手紙』 青空文庫
その牝狼の首は今日でもイタリア政府の発行する国立博物館の入場券に黄色の紙に赤く大きく刷り出されてある。
— 野上豊一郎 『パラティーノ』 青空文庫
わたしは男なんぞ恐れません、ただ、あなたの眼をくらます女があったら、この剣があります」「牝狼や、恐れないでおいで。
— フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 『剣のうた』 青空文庫
それはローマの青銅の牝狼を腐蝕していた。
— JEAN-CHRISTOPHE 『ジャン・クリストフ』 青空文庫