惨鼻
むごはな
名詞
標準
文例 · 用例
ことにチエンロッカーと彼女らとの関係は惨鼻をきわめた。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
ところが、それから何十年経った後のことだったろうか、はからずも流島のさい実家に送った文書が嵯峨家から発見されて、ようやく惨鼻を極めた流島史が陽の目を見ることになった。
— 小栗虫太郎 『人魚謎お岩殺し』 青空文庫
老弱男女三万人、一人残らず死んだのは惨鼻の極と云うべきか壮烈の限りと云うべきか、世界的有名な宗教戦は四郎の運命と終始して、起り且つ亡びたのでございます。
— 国枝史郎 『天草四郎の妖術』 青空文庫
警官として斯ういう場面に慣れている筈の私でさえ正視に耐えない程、惨鼻を極めた屍体だったのだ。
— 牧逸馬 『双面獣』 青空文庫
またしても言うが、お千代の最後は惨鼻の極だった。
— 海野十三 『電気看板の神経』 青空文庫
警察医吉田弥三郎氏の鑑定によれば、決闘は本月十八日より、二十一日払暁の間に、行われたものと見られ、無人の孤島のため知る人もなく、今日まで四日間、放棄せられしものと判明、屍体は惨鼻を極めている。
— 橘外男 『棚田裁判長の怪死』 青空文庫
業火の海に、惨鼻な血が、五月雨ほど流された。
— 吉川英治 『田崎草雲とその子』 青空文庫
洲股川の濁流|逆まく闇夜、さしもの城方の野武士勢も、初めて味わったほどな惨鼻な戦争をした。
— 第三分冊 『新書太閤記』 青空文庫