折り曲げる
おりまげる
動詞-一段動詞-他動詞
標準
to bend
文例 · 用例
「かげろう」が立つのは、壁や屋根が熱せられると、それに接した空気が熱くなって膨脹してのぼる、そのときにできる気流のむらが光を折り曲げるためなのです。
— 寺田寅彦 『茶わんの湯』 青空文庫
曲るにしても太い鋼鉄の棒を何の苦もなく折り曲げるようなドエライ力を、その軽い動きと姿の中に感ずる事が出来た。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
楢雄はがつかりしたが、やがてノツポの修一が身体を折り曲げるやうにして女に寄り掛りながら歩きだすと、楢雄もあわてて女中に並び、君いくつになつたの。
— 織田作之助 『六白金星』 青空文庫
といっしょで、感謝あまったものか、江戸錦が、うしろ手にいましめられたままの大きなからだをがばとそこへ折り曲げると、右門のほうを伏し拝むようにしながら、白州の砂礫にしみるほどな大粒の涙をぼろぼろとはふり落としました。
— 毒色のくちびる 『右門捕物帖』 青空文庫
筆の軸は先の方だけを小刀か何かで幾つにも割りまして、朝顏のかたちに折り曲げるといゝのです。
— 島崎藤村 『ふるさと』 青空文庫
そしてまた、その軽蔑してゐるものに対して膝を折り曲げるにはあまりに自分に対する気位が高かすぎるのです。
— 伊藤野枝 『従妹に』 青空文庫
」 力任せに引く手首を、ぐっと、内へ折り曲げると共に、庄吉の手首から、頭の中まで、血の管、筋骨を、一時に引きちぎるような痛みが、走った。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
「あとにも先にもたった一人の伜でがして、なあ、先生さまあ……」 彼はそう言って、胸に漲っていた心痛のはけ口を杉本に向け、潮くさい身体をやたらに折り曲げるのであった。
— 本庄陸男 『白い壁』 青空文庫