熟蕃
じゅくばん
名詞
標準
文例 · 用例
其山人の大概は、隘勇線を要せぬ熟蕃たちであつた。
— 異郷意識の起伏 『妣が国へ・常世へ』 青空文庫
台湾人の言葉と言つても、蕃族調査報告書などに依つて見るだけでも、生蕃・熟蕃の言葉を整理して見ると、言葉は固より文法組織は部落々々に依つて違つて居る。
— 折口信夫 『熟語構成法から観察した語根論の断簡』 青空文庫
熟蝦夷と麁蝦夷とは、女眞に於ける熟女眞と生女眞、臺灣に於ける熟蕃と生蕃に相當す。
— 喜田貞吉 『蝦夷とコロボツクルとの異同を論ず之に潜みて』 青空文庫
近い例が台湾の生蕃と熟蕃とで、里人なる熟蕃は支那人の風をなし、いつかは同化してその跡を没すべき運命を持っておりますが、山人なる生蕃の方は、今以てしばしば頑強に抵抗して、融和し難い障壁を設けております。
— 喜田貞吉 『特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ』 青空文庫
これを歴史的にせんさくすれば、「にぎゑびす」に対する「あらゑびす」で、更に砕いて言えば熟蕃に対する生蕃である。
— ペンネーム由来記 『随筆銭形平次』 青空文庫
語源的にいうならば、「にぎえびす」に対する「あらえびす」で、日本が台湾を領有した当時の言葉でいうならば、熟蕃に対する生蕃である。
— 野村胡堂 『胡堂百話』 青空文庫