鰻上り
うなぎのぼり
名詞
標準
文例 · 用例
もう一つの先見の明は、欧洲大戦が起って、銅、鉄、真鍮などの金属類の相場が鰻上りするのを予想して、廃球買いのため出入していた電灯会社に頼んで古銅鉄線、不用レールや不用発電所機械類などを払下げてもらったことだ。
— 織田作之助 『俗臭』 青空文庫
栃木山はその後|鰻上りに三役に入つた。
— 大正七(一九一八)年 『茶話』 青空文庫
北海道の産米がそれで一躍鰻上りに増えるのだった。
— 小林多喜二 『不在地主』 青空文庫
政府の「米買上げ」と不作の見越しで、米の値は「鰻上り」に上ってきている。
— 小林多喜二 『不在地主』 青空文庫
嘉納氏は現今東京高等師範學校長なるが、鰻上りに文部大臣に進むかも知れず。
— 大町桂月 『小石川臺』 青空文庫
氷の値が鰻上りに上った。
— 小酒井不木 『死の接吻』 青空文庫
この順で行けば鰻上りに出世して、近い内には社会に枢要な位置を得る人物――直接政府の官省から、招待状などの来るような者――になれるだろうと思っていた彼の希望は、根柢から覆がえってしまったように感じた。
— 宮本百合子 『日は輝けり』 青空文庫
しまひには、百兩、三百兩、五百兩と、鰻上りに口止め料を取られ、下谷一番の油屋と言はれた大徳屋の身上も、この儘で行つては年一杯も保ちさうもない」「――」「もう一つ惡いことに、娘の病氣のことを言はれ度くなかつたら、當人を谷中の堂へ奉公に出せ、――と東海坊が言ひ出した。
— 火遁の術 『錢形平次捕物控』 青空文庫