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片鬢

かたびん
名詞
1
標準
文例 · 用例
油を注さぬ黒髪に、漣の琥珀に寄る幅広の絹の色が鮮な翼を片鬢に張る。
夏目漱石 虞美人草 青空文庫
それから乏しい片鬢を一束|割いて、その根元に赤いリボンを括りつけた。
夏目漱石 彼岸過迄 青空文庫
追々全快も致しましょうが、二十一二になる色盛の娘、顔にポツリと腫物が出来ましても、何うしたら宜かろうなどと大騒ぎを致すものでございますのに、お累は半面紫色に黒み掛りました上、片鬢兀るようになりましたから、当人は素より母親も心配して居ります。
三遊亭圓朝 真景累ヶ淵 青空文庫
新吉は家へ帰ると女房が、火傷の痕で片鬢兀ちょろになって居り、真黒な痣の中からピカリと眼が光るお化の様な顔に、赤ん坊は獄門の首に似て居るから、新吉は家へ帰り度い事はない。
三遊亭圓朝 真景累ヶ淵 青空文庫
片鬢の禿げた乞食の爺が、中気で身動きも出来なくなったのを、綺麗な若い女が来て、知辺の者だからと引取って行ったそうですよ。
群盗 銭形平次捕物控 青空文庫
片鬢火傷か何んかで大|禿になつた上、惡い病ひで鼻も頬も潰れたらしく、見る眼も氣の毒なほど痛々しい姿ですが、それでも生活力は旺盛らしく、馬の草鞋を履いた足と手で、思ひの外に早く行きます。
幽靈の手紙 錢形平次捕物控 青空文庫
片鬢の禿げた乞食の爺いが、中氣で身動きも出來なくなつたのを、綺麗な若い女が來て、知邊の者だからと引取つて行つたさうですよ。
群盗 錢形平次捕物控 青空文庫
三名とも、各※、旅商人に身を窶していたが、その容貌までを変えるため、母里太兵衛は、片鬢の毛を、焼ごてで焼いて、わざと大きな禿をつくっていたし、栗山善助は前歯を数本欠き、井上九郎は、元々、片眼を戦場でつぶしていた勇士だが、そのうえに、面に焼きあばたを作って、ふた眼と見られない顔をしていた。
第六分冊 新書太閤記 青空文庫