有感
ゆうかん
名詞
標準
文例 · 用例
感情の南方地帯に属するもの、即ち所謂「情緒」は、それ自ら愛の本有感である故に、博愛や人道やの、すべての柔和なる道徳情操を基調している。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
浪漫主義の本有感は、愛のメロディアスな情緒感で、柔軟可動の自由を愛し、内容を本位とするものであるのに、クラシズムは情緒を排し、感傷的気分を嫌い、そして均斉、対比、平衡、調和等の、数学的法則による形式を重要視する。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
小説だつたら、また、言ひたいだけのことは言ひ切つて在るのだから、一月ぐらゐ、店頭で叫びつづけても、惡びれない覺悟もできてゐるが、どうも、朝顏有感は、一ヶ月、店頭で呟きつづける勇氣は無い。
— 太宰治 『義務』 青空文庫
寂心が三河国を経行したというのは、晩秋過参州薬王寺有感という短文が残っているので此を証するのである。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
そう考えていたリックライダーは、もう一方でコンピューターをネットワークして使うことことで生じる〈共有感覚〉の目覚めにも、いち早く気づいていました。
— 富田倫生 『本の未来』 青空文庫
去る先月廿九日石清水参詣致、別而難有感信致、別而家内之事大|安心候。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
この自然哲学と近代科学との相違は、後者が窮迫感から出発するのに反して、前者は所有感から出立するところにあるということができるであろう。
— 三木清 『人生論ノート』 青空文庫
この自然哲學と近代科學との相違は、後者が窮迫感から出發するのに反して、前者は所有感から出立するところにあるといふことができるであらう。
— 三木清 『人生論ノート』 青空文庫