帯気
たいき
名詞
標準
文例 · 用例
巣鴨辺に弥勒の出世を待っている、真宗大学の寄宿舎に似て、余り世帯気がありそうもない処は、大に胸襟を開いてしかるべく、勝手に見て取った。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
所帯気で緊ると、笑も理に落ちるかと思ったっけ。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
禰宜 人妻にしては、艶々と所帯気が一向に見えぬな。
— 泉鏡花 『多神教』 青空文庫
お芳を誘い出して、うんと買物をしようと目論んでいた自棄な欲望が、いつか不断の素直らしい世帯気に裏切られていた。
— 徳田秋声 『爛』 青空文庫
そこへ気がつかぬとは、さてさて世帯気のないこツちや。
— 清水紫琴 『心の鬼』 青空文庫
相当規模の発破が地下の秘密を暴き、間口一・五メートル厚さ一メートルばかりのぎざぎざした開口部を通して、熱を帯びた探求者の前に今や石灰岩の浅い空洞が口を開けており、これは五千万年以上前、かつて熱帯気候だったときの地下水が滴下することによって形成されたものである。
— H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 『狂気の山脈にて』 青空文庫