這い跡
はいあと
名詞
標準
文例 · 用例
その頬には蛞蝓の這い跡のように、涙の跡が鈍く光っていた。
— 佐左木俊郎 『恐怖城』 青空文庫
わたくしとはいわず、あたくしと、はやりどおりにいうこの女性は、どうしてこんなに賢こげな言葉をつらねてすべてまともであるべき問題を、はぐらかし、銀色に光っているとすれば、それは不潔のうちに棲息するなめくじの這い跡のようでなくてはならないのだろう。
— ――ふたたび純潔について―― 『傷だらけの足』 青空文庫
此の月は、此の年は、私は一たい何を為すべきであらう……昨日と同じに机にむかってペンを執る、白い紙に青いインクで蚯蚓の這い跡の様な文字をしるす……たゞそれだけ。
— 知里幸恵 『日記』 青空文庫