旁証
ぼうしょう
名詞
標準
文例 · 用例
往々旁証のコントロオルを待つて始て信を伝ふるに足ることがあるからである。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
全く自ら筆を操る事が出来なくなってからの口授作にも少しも意気消沈した痕が見えないで相変らずの博引旁証をして気焔を揚げておる。
— 内田魯庵 『八犬伝談余』 青空文庫
其本つ国については、先史考古学者や、比較言語学者や、古代史研究家が、若干の旁証を提供することがあるのに過ぎぬ。
— 異郷意識の起伏 『妣が国へ・常世へ』 青空文庫
私はそれを、あるいは私の個性の自発を促した機縁として述べるか、あるいは私の議論の旁証として述べるかに過ぎないのです。
— 与謝野晶子 『婦人も参政権を要求す』 青空文庫
さすれば、組唄踊りの説の旁証にはなる。
— 折口信夫 『組踊り以前』 青空文庫
科学者の随筆は何所かに術語が混つてどつしりした重味がつくし、文献家の漫筆は御手の物の博引旁証で読者に予期しない稗益を与へる。
— 桑木厳翼 『『全輯百間隨筆』内容見本「推薦文」』 青空文庫
それを単なる昔話の列に押並べて、空想豊かなる好事家が、勝手な尾鰭を附添えたかのごとく解することは、少なくとも私が集めてみたいくつかの旁証が、断じてこれを許さないのである。
— 柳田国男 『山の人生』 青空文庫
この珍らかな文献の価値を発揮するためには、なお弘く島々の伝承の中から、幾つもの旁証を見つけ出して、以前は海のあなたのニルヤカナヤとの通信往来が、それほどにも頻繁にあるものと信じられていたことを明らかにする必要があろう。
— 柳田国男 『海上の道』 青空文庫