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尺土

せきど
名詞
1
標準
文例 · 用例
先刻いらっしったばかりなのに大変でございますね、お廊下の電灯をおつけしましょうか、いや、そのまま電灯を消して寝ていなさい、起きないでくれと私は懐中電灯をかざして三尺土間を離れに向って飛び越える、その突き当りの部屋に奥テル子が寝ていた。
室生犀星 われはうたえども やぶれかぶれ 青空文庫
私は三十分ばかり跨っていても、とても出ないことが判ると、最後の方法として庭に出て後ろ山の石垣下にゆくより外に、行く処がない、私が三尺土間をまた飛び越えると間もなく奥テル子の部屋の電灯が消え、化粧の間を抜けると節マリ子の電灯も消えた。
室生犀星 われはうたえども やぶれかぶれ 青空文庫
――そしてしかも、斎藤家の領地は尺土も殖えはせず、かえって、隣国に虚を窺われ、それが動機となって、さしもの御城地も崩壊に瀕するであろう」 彼は、そういって、長嘆をもらした。
第一分冊 新書太閤記 青空文庫
ただこの国に生れ、この家門に育ち、その遺訓を奉じて、「中国の尺土たりとも、敵に委すな」 と、戦い、また戦い、あらゆる善戦を施して来はしたものの、要するに、その起ち向っている立場は、時潮の逆であった。
第六分冊 新書太閤記 青空文庫
瞬時、この尺土の上の父子像には、ただの土民や散所民とも何の違いもない血の慟哭が見えていた。
帝獄帖 私本太平記 青空文庫