爪磨
つめみがき
名詞
標準
文例 · 用例
眩しいような白と萌黄の午前服で男を圧迫しながらマーガレットは爪磨きをして二日目の彫刻的な指先で甘える。
— 岡本かの子 『百喩経』 青空文庫
爪磨きとしての効用 爪を鋏で切りっぱなせば角があって方々へ引っかかる。
— 海野十三 『白銅貨の効用』 青空文庫
十銭白銅貨は十銭貨幣であると同時に、重量|秤であり、標的であり、爪磨きであり、交換手呼出器であり、切符|押出機であり、煙草キャラメル押出機でもある。
— 海野十三 『白銅貨の効用』 青空文庫
「ナースチャ、ちょっとじりじりやらせてね」 爪磨した彼女の手にアルミニュームの小鍋がある。
— 宮本百合子 『赤い貨車』 青空文庫
けれど私は気持が悪くて爪磨きなぞうわの空でした。
— 三浦環 『お蝶夫人』 青空文庫
だから映画のなかの人物のように音もなく行動するし、たとえモナコ名所|犬首岩からいが栗の頭を下にして落ちたところで、すぐ立ち上って懐中爪磨き道具でマニキュアをはじめるだろう。
— Mrs. 7 and Mr. 23 『踊る地平線』 青空文庫
鹿皮の爪磨きで爪を磨きながら、ゆうゆうと十三世の動作を観察していたタヌは、そこで、いきなり立ちあがって窓のそばまでゆき、せっかくの自由画を掌で拭い取ってから、その右上へ、 と、書きつけて、軽蔑したように肩をぴくんとさせた。
— 謝肉祭の支那服 ――地中海避寒地の巻―― 『ノンシャラン道中記』 青空文庫
噴泉の飛沫を浴びつつ我々が一浴して浴池の縁に頭を凭せ掛けている時分、爪磨きの女が現れて我々の爪を磨いてくれる。
— 橘外男 『ウニデス潮流の彼方』 青空文庫