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染み出る

しみでる
動詞
1
標準
文例 · 用例
霧はフツ、フツと渦巻く、偃松に白く絡んで、火事場の烟でも立つように、虚空を迷っている、天幕の屋根の筋目から仰ぐと、暗灰色の虚空が壁のように狭くなって、鼻の先に突っ立っている、雨と知りながらも、手を天幕の外へ出すと、壁から浸染み出る小雨に、五本の指が冷やりとする、眼がやっと醒める。
小島烏水 白峰山脈縦断記 青空文庫
背中に冷汗がじッとりと染み出るのを感じた。
大倉※子 黒猫十三 青空文庫
」さういふときには、桂子は男の子を一人持つたやうな愛感が熱く身に沁み出るのを覚える。
岡本かの子 花は勁し 青空文庫
わかい馭者は窓のないカキ色の囚人馬車を梧桐のかげにひき入れたまま、しづかに読み耽る……こころもち疲れた馬の呼吸……短く刈つた栗毛の光沢から沁み出る臭の奇異な汗ばみ、その上にさしかくる新聞紙の新しい触感、わか葉の薄い緑の反射。
北原白秋 東京景物詩及其他 青空文庫
自動車の来るのを待つ間に私たちは幽かに沁み出る額の汗を感じながら、爽やかなアイスクリームの黄を啜り、水筒に水を、弁当鞄にサンドウィッチを、チョコレエトケーキ、餡パン、思い思いに用意した。
北原白秋 フレップ・トリップ 青空文庫
清浄な、また沁み出るような葉緑素の濃い香気がした。
北原白秋 フレップ・トリップ 青空文庫
ある日の午後圓い玉葱の花に黄色い日光が照りつけて、晝の蟲が幽かにパツチパツチと鳴いてゐる時、私はその上の丘の芝生に寢ころびながら初めて自分の身體から沁み出る強い汗の臭を知つた。
北原白秋 思ひ出 抒情小曲集 青空文庫
孝次郎は乾いた眼の奧に沁み出るやうな一滴の涙を感じた。
林芙美子 青空文庫
染み出る(しみでる) — 幻辞.com