後引き
あとひき
名詞
標準
文例 · 用例
アトフキといふのは、この津軽地方に於いて、祝言か何か家に人寄せがあつた場合、お客が皆かへつた後で、身内の少数の者だけが、その残肴を集めてささやかにひらく慰労の宴の事であつて、或いは「後引き」の訛かも知れない。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
笑い上戸に後引き上戸。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
その後引きつゞき僕は団長としての彼を尊敬し、熱烈なる部下となつたが、一度「君の大音寺虎雄といふ名前はほんとうの名前か、団長としての仇名ぢやないのか。
— 牧野信一 『大音寺君!』 青空文庫
その後引きつづき、二三句づつ「ホトトギス」に載りしものなり。
— 芥川龍之介 『わが俳諧修業』 青空文庫
これ以後引き續き支那との交通の行はれた時に、太子ぐらゐ巧妙に取り扱つたことも尠ないので、郭務※が唐の高宗から使者として來た際などは、其の取り扱ひ法は接待係に口授せられて之を明かにしなかつた。
— 内藤湖南 『聖徳太子』 青空文庫
410あるひは我に勝てる後引きて都城に歸らんや?
— ILIAS 『イーリアス』 青空文庫
その後引きつづいて彼女は、パリー在住のドイツやイタリーの貴族たちから、客間の演奏をたびたび頼まれた。
— JEAN-CHRISTOPHE 『ジャン・クリストフ』 青空文庫
一年間の研究実験を終え、その後引き続いて理化学研究所で三年間先生の助手を務め上げていた間に、私はこの偉大なる魂の生長をすぐ傍で見つめていることが出来たはずであった。
— 中谷宇吉郎 『実験室の思い出』 青空文庫