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焼山

やけやま
名詞
1
標準
文例 · 用例
三合五勺を出外れると、定規でも当てがってブチきったように、森林が脚下に落ち込んで、眼の前には黒砂の焼山が大斜行する。
小島烏水 不尽の高根 青空文庫
それでなくって、無理に先へ参りますと、終局には草一条も生えません焼山になって、餓死をするそうでございます。
泉鏡花 薬草取 青空文庫
というのが、焼山の下で、パッと一くべ、おへッつい様を燃したも同じで、山を越しちゃあ、別に騒動も聞えなかったんでございますが、五日ばかり前に、その温泉に火事がありました。
泉鏡花 唄立山心中一曲 青空文庫
大連が一台ずつ、黒塗り真円な大円卓を、ぐるりと輪形に陣取って、清正公には極内だけれども、これを蛇の目の陣と称え、すきを取って平らげること、焼山越の蠎蛇の比にあらず、朝鮮|蔚山の敵軍へ、大砲を打込むばかり、油の黒煙を立てる裡で、お誓を呼立つること、矢叫びに相斉しい。
泉鏡花 燈明之巻 青空文庫
はた車の輪の疾く軋るや、秋の夕日に尾花を燃さないと誰が言おう――おかしな事は、人が問いもしないのに、道中、焼山越の人足である――たとえ緊めなくても済むものを、虎の皮には弱ったと見えて、火の車を飛ばした三個の鬼が、腰に何やらん襤褸を絡っていた、は窮している。
泉鏡花 雪柳 青空文庫
三 前途七|里焼山の茶店に着いて、少時するまで、この友船は境を隔てたやうに別れたのである。
泉鏡太郎 十和田湖 青空文庫
焼山について休んだ処で、渋茶を汲むのはさだめし皺くたの……然ういへば、来る道の阪一つ、流を近く、崖ぶちの捨石に、竹杖を、ひよろ/\と、猫背へ抽いて、齢、八十にも余んなむ、卒塔婆小町を正で見る婆さんが、ぼやり、うつむいて休んでゐた。
泉鏡太郎 十和田湖 青空文庫
かくて焼山は雨の谷に美しい。
泉鏡太郎 十和田湖 青空文庫