思しい
おぼしい
形容詞
標準
seeming (to be)
文例 · 用例
灯がともったその低い家並で挾まれた町筋を、仕事をなし終えたと思しい人々がかなり繁く往来していた。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
また中毒と思しい徴候も現われていない。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
しかも、その無数の線条は、ほとんど室全体の床にわたっていて、濛気で堆塵の上に作られた細溝には相違ないけれども、不思議なことに、天井や周囲の壁面には、それと思しい痕跡が残されていない。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
小太刀潜入飛燕術 その時、天籟の声かのように、霧立ちこめた谷底の遥か前方と思しい辺から鈴の音が厳かに聞こえて来た。
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫
その席でGは案外器用な踊りぶりを見せたが、令嬢にしろ夫人にしろ、彼が注意を特にかたむけたと思しい相手は一人もなかつた。
— 神西清 『夜の鳥』 青空文庫
さうして無用な気取りやはにかみなどの今さらならぬ根本的な不満は別として、その短篇の構成にも文章の洗練の上でも、自分は再読し三読して毛を吹いて疵を求めるやうに意地悪く、といふよりも依估地になつてかかつたが結局どこにも欠点と思しいものは見つからなかつた。
— 佐藤春夫 『稀有の文才』 青空文庫
それは肉屋に注文する食肉の不釣り合いに多い量、その土地のどこかにある地下室から聞こえてくると思しい押し殺した叫び、朗読、抑揚を付けた詠唱、金切り声である。
— H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 『チャールズ・デクスター・ウォードの事件』 青空文庫
いくつかの例では以前の彩色の跡を見いだし得たが、殆どの場所で言語に絶する永劫の時間のために塗布されたと思しい色素は全て分解し脱色していた。
— H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 『狂気の山脈にて』 青空文庫
作例 · 標準
現場近くで不審な動きをしていた人物思しい男が、防犯カメラに映っていた。
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何か事情を知っている思しい隣人は、刑事の質問に曖昧な返事しかしなかった。
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昨夜から廊下に誰かが置いていった贈り物思しい包みが、ずっとそのままになっている。
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