巧智
こうち
名詞
標準
文例 · 用例
大して金儲けには関係はないが、『織留』の中にある猫の蚤取法や、咽喉にささった釣針を外ずす法なども独創的巧智の例として挙げたものと見られる。
— 寺田寅彦 『西鶴と科学』 青空文庫
こういう巧智はしかしことごとくが亀さんの独創によるものではなくて、大部分は重兵衛さんの晩酌時の講話の時に授かったものであった。
— 寺田寅彦 『重兵衛さんの一家』 青空文庫
五郎兵衞老人の工事は誠意と勇氣との自力で出來たのだが、この工事は資本と巧智との衆力で出來るのである。
— 幸田露伴 『華嚴瀧』 青空文庫
この旗奪の夜の怪異は、今から考えてみると実在の怪異であったか、それとも怪異の恐怖の中から創作したものであったか、それはどうもはっきりしないが、その後にあった一つの怪異は実在のもので、老媼茶話の中にでもありそうな話であるが、それは後になって人間の巧智の所産であることが判った。
— 田中貢太郎 『鷲』 青空文庫
そのような巧智な話術で彼がすりぬけた――というよりも、集団として「ロシアの問題」にかかわる彼の同国人をすりぬけさせてやった、その線のところにこそ「怒りの葡萄」ののちに来るテーマがひそんでいるであったろうに。
— 宮本百合子 『心に疼く欲求がある』 青空文庫
たとえ少数の商人が、巧智に長けた眼を窃かに働かして旅人の財布を軽めるにもせよ。
— 宮本百合子 『「奈良」に遊びて』 青空文庫
〔Deve'ria〕 氏の説は如何にも巧智である,從つて一般に歡迎されて居る。
— 桑原隲藏 『創建清眞寺碑』 青空文庫
巧智な 〔Deve'ria〕 氏の説には蔽ふべからざる弱點缺陷を有して居る。
— 桑原隲藏 『創建清眞寺碑』 青空文庫