留木
とめぎ
名詞
標準
fragrant wood
文例 · 用例
其時|上手の室に、忍びやかにはしても、男の感には触れる衣ずれ足音がして、いや、それよりも紅燭の光がさっと射して来て、前の女とおぼしいのが銀の燭台を手にして出て来たのにつづいて、留木のかおり咽せるばかりの美服の美女が現われて来た。
— 幸田露伴 『雪たたき』 青空文庫
同じ袋に入ったのが、二ツ、ちょんと、あの、猿の留木の下に揃えてあって、――その時、私に打明けて二人して言やはったは、つい一昨日の晩方や。
— 泉鏡花 『南地心中』 青空文庫
」「何か、直ぐに連れてここへ来る手筈じゃった、猿は、留木から落ちて縁の下へ半分|身体を突込んで、斃死ていたげに云う……嘘でないな。
— 泉鏡花 『南地心中』 青空文庫
聾の、唖の、明盲人の、鮫膚で腰の立たぬ、針線のやうな縮毛、人膚の留木の薫の代りに、屋根板の臭の芬とする、いぢかり股の、腕脛の節くれ立つた木像女が何に成る!
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
「宇留木君」と博士はある朝ふと私に呼びかけた。
— 海野十三 『ある宇宙塵の秘密』 青空文庫
翡翠に飾られた店頭の留木には、首を寄せ集めた小鳥のように銀色の支那沓がとまっていた。
— 横光利一 『上海』 青空文庫
そこに二人は並んで腰を降ろすと、丁度沼の中の留木にとまった二匹の蛙のように自分が見え、どちらを向いても眼のゆくところ人影の一つも見えぬ連った睡蓮の沼だった。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
以前、赤島家の書生であった警察署長の津留木万吾は忠義立てに哲也を捕まえて手強く諫言すると「音絵を貰ってくれぬから自暴糞になったんだ」という返事であった。
— 夢野久作 『黒白ストーリー』 青空文庫
作例 · 標準
その部屋に入ると、お香とはまた違う留木のほのかな香りが漂ってきた。
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貴重な留木を加工して作った文鎮を、父は大切に使っている。
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留木の香りを嗅ぐと、なぜか心が落ち着いて穏やかな気持ちになれる。
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標準
wooden peg
作例 · 標準
欄間の彫刻を固定するために、目立たない場所に留木を打ち込んだ。
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釘を一切使わずに、留木だけで組み立てられた棚の丈夫さに驚いた。
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古い家の柱には、かつて何かを吊るしていたのであろう留木の跡が残っている。
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