害敵
がいてき
名詞
標準
文例 · 用例
山は害敵とそれを免れるものと両方を備え無言にして生命それ自ら護るべき慧智を啓発した。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
それより小さいのは足が幼いため親と歩行を共にすることができないから害敵に出会った場合に危険に陥る場合を考えているためでしょう。
— 佐藤垢石 『熊狩名人』 青空文庫
だんだんこんな者が村に来なくなってから、単に子供を嚇す想像上の害敵となって永く残りその子供がまた成人して行くうちに、次第に新しい妖怪の一種にこれを算えるに至ったのは注意すべき現象だと思う。
— 柳田国男 『山の人生』 青空文庫
その挙動には興味があるので、ぼんやりとただ見ておったのであったが、彼が実際はこの小庭のために、害敵を退治していてくれたのであった。
— 野鳥雑記 『野草雑記・野鳥雑記』 青空文庫
願はくは現在の愉快なるアンタントコルジアルを一段と有效に擴張し、少々は養狸業の牧場でも各地に見るやうになつたならば農作の害敵どもは次第に退縮し、其結果として腹鼓は彼等のみの民族的遊戲では無くなるであらうと思ふ。
— 柳田国男 『人狸同盟將に成らんとす』 青空文庫
水面下の眼は、水中を見るのに適当した近視になっていて、水の中の害敵などを警戒しているのである。
— 中谷宇吉郎 『異魚』 青空文庫
アイヌが陰部を蔽うているのは平時のことであって、一朝ことあるとき、例えば害敵からの攻撃を受けたり、病魔がコタン(部落)に侵入して来たと認められるような場合には、敢然と一物を露出して敵や病魔を撃退する呪術をおこなうのである。
— 知里真志保 『性に関するアイヌの習俗』 青空文庫
陰部を露出することによって害敵から免れようとする呪術行為にホパラタと呼ばれているものがある。
— 知里真志保 『性に関するアイヌの習俗』 青空文庫