髪白
かみしろ
名詞
標準
文例 · 用例
樹園宮沢賢治髪白き山田博士が書いだき帰り往くころかはたれはしづに這ひ来てふくよかに木の芽ほごるゝ鳥飛びて気圧を高み守衛長〔以下未完〕ぎごちなき独乙冠詞を青々となげく窓あり
— 宮沢賢治 『樹園』 青空文庫
」と、白髪白髯の、そして朱面の、白い麻の支那服の、頑健そのもののN老人が立ちながら、その頭の上の蕗の葉の一つを仰いだ。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
もう少し酒興が深めばいよいよ羽化登仙というところで、サラリと正面の襖が開いて、コツコツと杖こそ突かぬが、ぬうと這入って来たは白髪白髯の老紳士とその老夫人であった。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
先客にはすでに白髪白髯の和製タゴール老人がいた。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
彼は、その浅黒い顔から玉をなして流れ、あまつさへ長い泥鰌髭のさきからぽたぽた滴り落ちる汗を、ものうげな手つきで拭き拭き歩をはこんでゐるが、その髭は、幾千年このかた美醜の別ちなくあらゆる人の子をば招かれもせぬのに訪づれる、あの容赦なき調髪師の手で髪白粉をふりかけられてゐた。
— VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI 『ディカーニカ近郷夜話 前篇』 青空文庫
と、彼の眼前には、髪白粉をふりかけて、少し肥りじしの、背の低い婦人が、碧いろの眸に鷹揚で、にこやかな眼差を見せて佇んでゐた。
— VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI 『ディカーニカ近郷夜話 後篇』 青空文庫
げにや当年の己は空恐ろしくも信心無く、或日|精舎の奪掠に負けじ心の意気張づよく神壇近き御燈に煙草つけたる乱行者、上反鬚に気負みせ、一歩も譲らぬ気象のわれも、たゞ此僧の髪白く白く神寂びたるに畏みぬ。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
げにや当年の己は空恐ろしくも信心無く、或日精舎の奪掠に負けじ心の意気張づよく神壇近き御燈に煙草つけたる乱行者、上反鬚に気負みせ、一歩も譲らぬ気象のわれも、たゞ此僧の髪白く白く神寂びたるに畏みぬ。
— 上田敏訳詩集 『海潮音』 青空文庫