拠所
よりどころ
名詞
標準
文例 · 用例
今朝のうちから、さっきのいままで』源兵衛『そなたが来るのを留守にしたのは、拠所ない若衆会所の相談。
— 岡本かの子 『取返し物語』 青空文庫
愛宕山は七高山の一として修験の大修行場で、本尊は雷神にせよ素盞嗚尊にせよ破旡神にせよ、いずれも暴い神で、この頃は既に勝軍地蔵を本宮とし、奥の院は太郎坊、天狗様の拠所であった。
— 幸田露伴 『魔法修行者』 青空文庫
大智勝観氏は精神的拠所を『墨』において、色彩的には『青の作家』といふことができるだらう。
— 美術論・画論 『小熊秀雄全集−19−』 青空文庫
この二つを拠所にして君が霊腕を揮ったらドンの絶滅期して俟つべしじゃないか。
— 夢野久作 『爆弾太平記』 青空文庫
工場は隆盛になったけれどマドリッド市中はその代り拠所ない恐怖に包まれて次第に人心が険しくなって夜も十時を過ごした頃には目抜きの町のAE街をさえ人っ子一人通らないようになった。
— 国枝史郎 『物凄き人喰い花の怪』 青空文庫
不平だけれども、自分ではどうも出来ぬから拠所なく黙ってしまう。
— 内藤鳴雪 『鳴雪自叙伝』 青空文庫
なまけてもいないに出す作がないというと、やはりなまけていたとお思いになるかも知れませんが、私は拠所ないことで人から頼まれたものをやっているのです」という話から、行き掛かり上、若井兼三郎氏の依嘱によって矮鶏を彫っていて既に二年越しにわたっていることを私は話し、怠けていないことの証拠を挙げました。
— 矮鶏の作が計らず展覧会に出品されたいきさつ 『幕末維新懐古談』 青空文庫
それから、鎧ですが、これは漠としてほとんど拠所がありません。
— 楠公銅像の事 『幕末維新懐古談』 青空文庫