来斯
きここ
名詞
標準
文例 · 用例
もつとも、わたしは生来斯ういふたぐひの作品には自分が不感症であるといふことは知つてゐる。
— 牧野信一 『浪曼的月評』 青空文庫
和尚この一喝の下に始めて大いに感悟するところあり、すなわち改めて滴水と号し、爾来斯道に刻意すること久しく、いよいよますます一滴水の深味を体得す。
— 河上肇 『貧乏物語』 青空文庫
結局如何して通ったか覚えぬが、生来斯様な苦しい思をさせられたことはなかった。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
此等は素より取り越し苦労であつて、今から何れとも慥に云ふことは困難であるが、今日已に何所の病院も満員である所を見れば、将来斯かることは決して無いと云ふ保証は更に出来なからう。
— 丘浅次郎 『自然の復讐』 青空文庫
「声は生来斯ういう声です」 とお弟子さんは満足する。
— 佐々木邦 『好人物』 青空文庫
筋は生来斯ういう筋だとは気がつかない。
— 佐々木邦 『好人物』 青空文庫
彼の生活は實際此四五|年來斯ういふ景色に出逢つた事がなかつたのである。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫
五十八歳といへば私よりも三つ年若であるが、君の天才の華がもう二十歳でひらいて、爾來斯壇の大家として、詩に於て小曲に於て童謠に於て短歌に於て縱横に君の力量を發揮し、往くところとして可ならざるものなかつた。
— 齋藤茂吉 『北原白秋君を弔ふ』 青空文庫