御馳走
ごちそう
名詞
標準
文例 · 用例
子供に御馳走しようと思って、母は台所で小豆を煮ている。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
冷した麥酒を御馳走になりながら聽いてゐると、いかにも風雅な氣分がするので「好いね!
— 萩原朔太郎 『田端に居た頃』 青空文庫
――困つたものだ、と兎は答へる、何時ものやうに、私はおつ母さんに御馳走しようと思つて来たんだが!
— 中原中也 『山間秘話』 青空文庫
「御馳走さまで」と、案内者は水の礼を述べて、いよいよ裾野の中へ入る。
— 小島烏水 『雪中富士登山記』 青空文庫
日頃健啖なのに、下の女の児は一杯食つた切りで、「御馳走様」と云つて、サッサと寝床にもぐり込んだ。
— 葉山嘉樹 『氷雨』 青空文庫
魚容の学問を頭から軽蔑して、魚容が「大学の道は至善に止るに在り」などと口ずさむのを聞いて、ふんと鼻で笑い、「そんな至善なんてものに止るよりは、お金に止って、おいしい御馳走に止る工夫でもする事だ」とにくにくしげに言って、「あなた、すみませんが、これをみな洗濯して下さいな。
— ――新曲聊斎志異―― 『竹青』 青空文庫
メロスは、それゆえ、花嫁の衣裳やら祝宴の御馳走やらを買いに、はるばる市にやって来たのだ。
— 太宰治 『走れメロス』 青空文庫
茶会というものは、ただ神妙にお茶を一服御馳走になるだけのものかと思っていたら、そうではない。
— 太宰治 『不審庵』 青空文庫