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鼈甲

べっこう
名詞
1
標準
文例 · 用例
他愛なく、抜けて柄になってしまったので、「まあ、」と飛んだ顔をして、斜めに取って見透した風情は、この夫人の艶なるだけ、中指の鼈甲の斑を、日影に透かした趣だったが、「仕様がないわね。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
車を彩る青葉の緑、鼈甲の中指に影が透く艶やかな円髷で、誰にも似ない瓜核顔、気高く颯と乗出した処は、きりりとして、しかも優しく、媚かず温柔して、河野一族第一の品。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
鼈甲の突通し、御殿奥女中のこしらえ。
泉鏡花 天守物語 青空文庫
また同じ鼈甲を差して見ても、差手によって照が出ない。
泉鏡花 白い下地 青空文庫
で、鼈甲にしろ、簪にしろ、櫛にしろ、小間物店にある時より、またふっくらした島田の中に在る時より、抜いて手に取った時に真の色が出るのである。
泉鏡花 白い下地 青空文庫
前挿、中挿、鼈甲の照りの美しい、華奢な姿に重そうなその櫛笄に対しても、のん気に婀娜だなどと云ってはなるまい。
泉鏡花 革鞄の怪 青空文庫
水の垂りそうな、しかしその貞淑を思わせる初々しい、高等な高島田に、鼈甲を端正と堅く挿した風采は、桃の小道を駕籠で遣りたい。
泉鏡花 革鞄の怪 青空文庫
露に濡羽の烏が、月の桂を啣えたような、鼈甲の照栄える、目前の島田の黒髪に、魂を奪われて、あの、その、旅客を忘れた。
泉鏡花 革鞄の怪 青空文庫
ウィキペディア

鼈甲(べっこう、べっ甲)は、熱帯に棲むウミガメの一種・タイマイの甲羅を原料とする有機素材。鼈甲細工(べっ甲細工)を含む鼈甲製品(べっ甲製品)の原材料である。

出典: 鼈甲 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0