大風
おおかぜ異読 たいふう
名詞
標準
gale
文例 · 用例
大風の吹く城の向うで化猫草の穗のゆらゆらとうごいてゐてなにものかかなしい追憶の敵が笑つてゐる。
— 萩原朔太郎 『敵』 青空文庫
大風の朝も赤し唐辛子 暴風雨の朝、畠の作物も吹き荒され、万目荒寥として枯れた中に、ひとり唐辛子の実だけが赤々として、昨日に変らず色づいているのである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
人垣は急に崩れて、大風に偃す野草の如く、芳の通路を拓けども、何分多人數であるから、幾重にも犇犇と垣あり。
— 萩原朔太郎 『二十三夜』 青空文庫
夜九時、大風|室を四匝せる石壁を透徹して雷吼す、駭魄して耳目きはめて鋭敏となり、昨夜御殿場旅館階上の月を憶ひ起し、一人|窃に戸を排して出で、火孔に吹き飛ばされぬ用心して、這ふが如く剣ヶ峰に到り、その一角にしがみ附きて観る。
— ――明治三十六年八月七日御殿場口にて観察―― 『霧の不二、月の不二』 青空文庫
それからしばらくすると、急に家中がしんとして、大風の後のやうな靜穩が此の山腹全體を支配するやうに感ぜられた。
— 寺田寅彦 『伊香保』 青空文庫
古い一例を挙げれば清和天皇の御代|貞観十六年八月二十四日に京師を襲った大風雨では「樹木有名皆吹倒、内外官舎、人民|居廬、罕有全者、京邑衆水、暴長七八尺、水流迅激、直衝城下、大小橋梁、無有孑遺、云々」とあって水害もひどかったが風も相当強かったらしい。
— 寺田寅彦 『颱風雑俎』 青空文庫
斉明天皇の御代に二艘の船に分乗して出掛けた一行が暴風に遭って一艘は南海の島に漂着して島人にひどい目に遭わされたとあり、もう一艘もまた大風のために見当ちがいの地点に吹きよせられたりしている。
— 寺田寅彦 『颱風雑俎』 青空文庫
」 鷲は大風に云いました。
— 宮沢賢治 『よだかの星』 青空文庫
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中国の神的存在としての大風 は、中国神話に登場する邪神(災害神)で怪鳥。東方にある青丘の沢に棲んでいる。
出典: 大風 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0