河豚汁
ふぐじる
名詞
標準
文例 · 用例
河豚汁の宿赤々と灯しけり と、冬の街路に炉辺の燈灯を恋うる蕪村は、裏街を流れる下水を見て易水に根深流るる寒さかな と、沁々として人生のうら寒いノスタルジアを思うのだった。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
毒ありて活く生命にや河豚汁 一月十八日午前十時 田螺公 謹んで申す(椋鳥会五句集『河豚』明治四十五年一月)
— 種田山頭火 『雑信(一)』 青空文庫
衣食足って――礼節の方は知らぬが――銀行に特別当座預金でもあろうという泰平の逸民が、四畳半の投げ入れを見ながら、一杯一杯、「河豚汁や」を考えて、頭からピシャピシャやって飲むべきものである。
— 石川欣一 『可愛い山』 青空文庫
四「親分、河豚汁ぢや十手捕繩にも及ばないぢやありませんか」 吉三郎の家を出ると、ガラツ八はもう天下|泰平の顏になつてゐるのでした。
— 鉄砲汁 『錢形平次捕物控』 青空文庫
「お前さんには中らなかったんで」「中るもんですか、――若い時分には、四人で河豚汁をやって、三人まで死んだのに、あっし一人腹がチクリともしなかった事がありますよ、毒なんぞにやられるようなヤワな身体じゃねえ」 肉体の衰えを自覚しまいとする、年寄りの一徹さをムキ出しに、こんな事を言うのでした。
— 御落胤殺し 『銭形平次捕物控』 青空文庫
四「親分、河豚汁じゃ十手捕縄にも及ばないじゃありませんか」 吉三郎の家を出ると、ガラッ八はもう天下泰平の顔になっているのでした。
— 鉄砲汁 『銭形平次捕物控』 青空文庫