艙
艙
名詞
標準
文例 · 用例
―― 彼女は三池港で、船艙一杯に石炭を積んだ。
— 葉山嘉樹 『労働者の居ない船』 青空文庫
ベンチレーターで、換気する以外に法のない、汽船のダンブル(船艙)に似ている。
— ――生きる為に―― 『山谿に生くる人々』 青空文庫
水夫らは、デッキを洗う波浪からダンブル内への浸水を護るために、ハッチカバー(船艙のおおい)や、それを押えた金具や、またその上から厳重にロープを通して縛らねばならなかった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
それは黒い大雪崩となって、船艙へ文字どおりになだれ込んだ。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
上の漏斗からの出方が速くて量の多い時は、数十人の人夫のショベルの力は間に合わないで、船のハッチ口は石炭でふさがってしまい、人足たちは船艙の四すみのあいたところへ密閉されてしまった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
二等甲板の船艙のつるつる光る白い壁に黒いかつぎのカトリックの尼さんが緑の円い瞳をそらに投げて竹の編棒をつかってゐる。
— 宮沢賢治 『『春と修羅』補遺』 青空文庫
……T氏と艙へはいって、カバンを出してもらって、ハース氏に贈るべき品物を選み出したりした。
— 寺田寅彦 『旅日記から(明治四十二年)』 青空文庫
事件の処置は寛大であったともいえようが、三〇年前の法律は、今日より遥かに厳しく執行されており、二三歳の誕生日、私は重罪人として鎖につながれ、他の三七人の罪人とともに小型帆船グローリア・スコット号の中艙に押し込まれ、オーストラリアへ送られることとなった。
— THE "GLORIA SCOTT" 『グローリア・スコット号』 青空文庫