何処へやら
どこへやら
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文例 · 用例
が、余程面白いと見えて、その様な談話が始まると、お政は勿論、昇までが平生の愛嬌は何処へやら遣ッて、お勢の方は見向もせず、一心になッて、或は公債を書替える極簡略な法、或は誰も知ッている銀行の内幕、またはお得意の課長の生計の大した事を喋々と話す。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫
ただ一面の短い草の原、今まで来た道は何処へやら、さっぱり判然らなくなってしまった。
— 吉江喬松 『木曾御嶽の両面』 青空文庫
私の初めの大理想は何処へやら消滅して、元気なく丁度、一旦泥水に浸みた女が、足を洗えずにもがいているようなもので、矢ッ張り相変わらずの日を過ごして居ります。
— 若杉鳥子 『職業の苦痛』 青空文庫
だが日が暮れ切ってしまふと、その雲の層は何処へやら消えて行って、空が地に近づいて来たやうに、銀砂子のやうな星が大きく光って居るのが見えた。
— 池宮城積宝 『奥間巡査』 青空文庫
すると、それから二時間ばかりたつとがたりと艇体が揺れ、それなり何処へやら、動いて行くような気配が感ぜられました。
— 小栗虫太郎 『潜航艇「鷹の城」』 青空文庫
供男は、供待ちで、これも一口|馳走になったと見えて、浪人に脅かされて以来、びくつききっていた、来る途中の萎れ方は何処へやら、元気な声で、「この分では、初日二日目、三日目――大した人気にきまっておりますぜ。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
真夏の空に輝く千年の氷河を眺めて、私の風邪は何処へやらふつ飛んでしまつた。
— 岸田國士 『風邪一束』 青空文庫
水戸藩邸の最後の面影を止めた砲兵工廠の大きな赤い裏門は何処へやら取除けられ、古びた練塀は赤煉瓦に改築されて、お家騒動の絵本に見る通りであったあの水門はもう影も形もない。
— 永井荷風 『伝通院』 青空文庫
作例 · 標準
昨日の雪は、朝にはどこへやら消えていた。
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飼っていた金魚が、水槽からどこへやら飛び出してしまった。
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彼のやる気は、いつの間にかどこへやら行ってしまった。
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