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藪入り

やぶいり
名詞
1
標準
文例 · 用例
さてこの「春風馬堤曲」は、蕪村がその耆老を故園に訪うの日、長柄川の堤で藪入りの娘と道連れになり、女に代って情を述べた詩である。
萩原朔太郎 郷愁の詩人 与謝蕪村 青空文庫
即ち蕪村は、その藪入りの娘に代って、彼の魂の哀切なノスタルジア、亡き母の懐袍に夢を結んだ、子守歌の古く悲しい、遠い追懐のオルゴールを聴いているのだ。
萩原朔太郎 郷愁の詩人 与謝蕪村 青空文庫
藪入りの寝るや小豆の煮える中 という句を作り、さらに春風馬堤曲を作る蕪村は、他人の藪入りを歌うのでなく、いつも彼自身の「心の藪入り」を歌っているのだ。
萩原朔太郎 郷愁の詩人 与謝蕪村 青空文庫
だが彼の藪入りは、単なる親孝行の藪入りではない。
萩原朔太郎 郷愁の詩人 与謝蕪村 青空文庫
春風馬堤曲に歌われた藪入りの少女は、こうした蕪村の詩情において、蒲公英の咲く野景と共に、永く残ったイメージの恋人であったろう。
萩原朔太郎 郷愁の詩人 与謝蕪村 青空文庫
藪入りの寝るやひとりの親の側   太祇 には、蕪村自身のうら侘しい主観を通して、少女に対する無限の愛撫と切憐の情が語られている。
萩原朔太郎 郷愁の詩人 与謝蕪村 青空文庫
わけてもその夜は、お店の手代と女中が藪入りでうろつきまわっているような身なりだったし、ずいぶん人目がはばかられた。
太宰治 姥捨 青空文庫
ふたりは眼にしみる汗をふきながら両国橋をいそいで渡ると、回向院の近所には藪入りの小僧らが押し合うように群がっていた。
蝶合戦 半七捕物帳 青空文庫