客方
きゃくかた
名詞
標準
文例 · 用例
のこのこと店へ出て、八郎と並んで坐ると、片手を膝について、片手、掌を斜に、その手造りの菊をこう煽ぐように、「貴客方、ちょこッとその花を見て下さらんけ。
— 泉鏡花 『卵塔場の天女』 青空文庫
「――前もって、書面にて申し上げておきましたお客方、元、上州|箕輪の御城主、上泉伊勢守どのを御案内申しあげて参りました。
— 柳生石舟斎 『剣の四君子』 青空文庫
――が、殿と侍たちは、どう召された」 義澄が、早口に問うと、「お客方は、あれに」 と、嬰児をかかえた女房が、唖のように、舌を吊らせて、わくわくと指さした。
— 吉川英治 『源頼朝』 青空文庫
――それとも、茶席にお入り下さるなれば、お客方と御一緒に、一ぷくさしあげますが」 と、いった。
— 第三分冊 『新書太閤記』 青空文庫
……時に吉野どのは」「こよいも、お客方の席が、あちらにもこちらにもという有様で、わずかなお隙もございませぬ」「思いがけないお世話になったが、こうしていると、ひとり吉野どのへ気づかいを煩わすばかりでなく、扇屋の内緒へも、迷惑のかさむばかり。
— 風の巻 『宮本武蔵』 青空文庫