瘠犬
瘠犬
名詞
標準
文例 · 用例
ああこの古びたる鞄をさげてよろめけどもわれは瘠犬のごとくして憫れむ人もあらじや。
— 萩原朔太郎 『純情小曲集』 青空文庫
痛烈に、颯爽と、かのモリエエルやゴオゴリの如く、相手撰ばず喉笛を締めることができたら、文句はないのであるが、片肱をあげて、及び腰で遠くから瘠犬の如く吠え立てる恰好は、われながら浅間しくも思はれる。
— 岸田國士 『続言葉言葉言葉(その一)』 青空文庫
痛烈に、颯爽と、かのモリエールやゴーゴリの如く、相手選ばず喉笛を締めることができたら文句はないのであるが、片肱をあげて、及び腰で遠くから瘠犬の如く吠え立てる恰好は、われながらあさましく思はれる。
— 岸田國士 『「風俗時評」あとがき』 青空文庫
第一印象は何て気障な虫酸の走る男だろうと私は身ブルイを感じたが、反対にこの寒いのにマントも着ずに、原稿紙とタオルと石鹸をつつんだ風呂敷包一つを抱え、犬殺しのようなステッキを携えた異様な私を、これはまた何という貧乏くさい瘠犬だろうと萩原は絶望の感慨で私を迎えた。
— 室生犀星 『我が愛する詩人の伝記』 青空文庫
そのあとさきに古びた電柱が立ち、瘠犬がちよろつき、低い家並を這ひあるく煙とも靄ともつかぬものが物悲しげに垂れてゐることはお定りのやうであつた。
— 室生犀星 『星より來れる者』 青空文庫
第一印象は何て気障な虫酢の走しる男だろうと私は身ブルイを感じたが、反対にこの寒いのにマントも着ずに、原稿紙とタオルと石鹸をつつんだ風呂敷包一つを抱え、犬殺しのようなステッキを携えた異様な私を、これはまた何という貧乏くさい瘠犬だろうと萩原は絶望の感慨で私を迎えた。
— ――萩原朔太郎―― 『わが愛する詩人の伝記(三)』 青空文庫
作品となつた最初のものは御風氏の「瘠犬」であつた。
— 三木露風 『明治詩壇の回顧』 青空文庫