花石
かせき
名詞
標準
文例 · 用例
上り初めると蝶ヶ岳が見える、この山もそれに続く熊村岳(宛字)も、谷から渦まき※る飛沫のような霧に、次第に包まれて来る、足許には白花石楠花や、白山一華の白いのが、うす明るく砂の上に映っている。
— 小島烏水 『槍ヶ岳第三回登山』 青空文庫
雪の下からは蒼黯い偃松が、杉菜ほどに小さく見えて、黄花石楠花は、白花石楠花に交って、その間にちらほらしている、一団の霧が槍へ吹っ懸けて、白い烟をパッと立てるので、一時は姿を没したが、又穂先だけ鋭く突き出す。
— 小島烏水 『槍ヶ岳第三回登山』 青空文庫
黄花石楠花が、岩角の間に小さくしがみついて咲いている、その間を踏んで、登れば、千枚沢岳と悪沢岳の間に、赤石山が吊鐘を伏せたように円く立っている、支脈伝いに背面を見た時には、壮大だと思った白河内岳も、ここから見ると、可愛そうなほど、低くなって、下に踞くまってしまった。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
この山の上で、朝から夕立に遇っては堪まらないと、多年山登りの経験から気がついて、呆れ顔の導者を促して路を急ぐ、岩角を上ったり、下ったり、偃松や黄花石楠花の間を転がるようにして走ったが、その間に幻影は消え消えながら、三度出た、しかし心配ほどもなく、霧は奇麗に拭われて、雨にはならなかった。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
それも、横に曲りくねった、普通平地で見るような石楠花でなく、白花石楠花である。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
私は平原の草野において、山百合の花を愛し、深山の灌木において、もっとも白花石楠花を愛する。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
その光はまっすぐに四方に発射し、下の方に落ちて来ては、ひっそりした台地の雪を、いちめんまばゆい雪花石膏の板にしました。
— 宮沢賢治 『水仙月の四日』 青空文庫
その光はまつすぐに四方に発射し、下の方に落ちて来ては、ひつそりした台地の雪を、いちめんまばゆい雪花石膏の板にしました。
— 宮沢賢治 『水仙月の四日』 青空文庫