普請場
ふしんば
名詞
標準
building plot
文例 · 用例
新吉が普請場の屋根から落ちたのである。
— 岡本かの子 『真夏の幻覚』 青空文庫
その新吉が何故、普請場の足場丸太から足を滑らせたのか――新吉は、幻覚という言葉は知らなかったが、それと同じ表現を新吉の持つだけの語彙を使って私が入院させた病院のベッドの上でせいぜい私に云ってみた。
— 岡本かの子 『真夏の幻覚』 青空文庫
K氏の普請場に家の人は見えなかったので、挨拶もせずに帰った。
— 岡本綺堂 『九月四日』 青空文庫
と云うのは、彼女が若しも其処の甃石の中から突然せり上って来て歩き出したのでもない限り、そのあたりは恰度××ビルディングの普請場の板囲が続いているところだったので、彼女がそうした工合に意気揚々と立ち出でそうな玄関口なぞは一つもなかったのだから。
— 渡辺温 『嘘』 青空文庫
さっきから問題になっている曽田屋の娘、お政とお時の姉妹が寺参りに行くとかいうので、髪を結い、着物を着かえて、よそ行きの姿で普請場へ行ったんです。
— 岡本綺堂 『怪獣』 青空文庫
母の身支度の出来るのを待っている間に、なに心なく普請場を覗きに行ったんでしょう。
— 岡本綺堂 『怪獣』 青空文庫
小学校が増築される時には、だから人々は珍らしそうに毎日普請場へ顔を見せた。
— 織田作之助 『青春の逆説』 青空文庫
春もやがて暮れかかる日の夕方に、秀吉が二、三人の小姓を連れて普請場を見廻っていると、どこからともなしに一人の美しい上はしずかに言った。
— 岡本綺堂 『小坂部姫』 青空文庫