焚き付け
たきつけ
名詞
標準
文例 · 用例
十重に二十重に引ツ絡んで喧嘩の火の手を焚き付け樣と云ふ、江戸ツ子のいらぬ意氣地。
— 萩原朔太郎 『二十三夜』 青空文庫
恰度その時女中は台所で、竈の下を焚き付けてゐます。
— 中原中也 『家族』 青空文庫
そこへ付け込んで、清五郎がうまく焚き付けたので、とうとう叔母殺しという大罪を犯すことになったんです。
— 幽霊の観世物 『半七捕物帳』 青空文庫
あわや絶体絶命の鍔際になったときに、伜の兄が弟に眼くばせをして、素知らぬ顔でその竈に火を焚き付けてしまった。
— 岡本綺堂 『青蛙堂鬼談』 青空文庫
尤も火のない所に煙は立たないもので、小牧山合戦以来未だ釈然たらざる織田信雄なんかが策動して、家康を焚き付けたことは想像出来るのである。
— 菊池寛 『小田原陣』 青空文庫
そのうちに御飯の火を焚き付ける段になると、お姉さんはマッチの箱の蓋がすこし開いているのを気が付かずにマッチを摺ったために、マッチ箱の中のマッチに火がついて一時に燃えて、姉さんは手にやけどをしてしまいました。
— 無署名(夢野久作) 『三つの眼鏡』 青空文庫
杉の葉も黄色く枯れかゝつて、焚き付けになりさうであつた。
— 上司小劍 『石川五右衞門の生立』 青空文庫
須彌壇の花立てには、何時|活けたとも知れぬ花の枝が乾枯びて、焚き付けにでもなりさうになつてゐた。
— 上司小劍 『ごりがん』 青空文庫