手鎖
てじょう
名詞
標準
文例 · 用例
一人は切腹に、一人は獄門に、五人は死罪に、七人は遠島に、十一人は追放に、九人は押込に、四人は所払いに、三人は手鎖に、七人は無構に、三人は急度叱りに。
— 第一部上 『夜明け前』 青空文庫
雨の日は同じ傘で帰ったり、お天気には月見草や手鎖りや草笛に誘われていっしょに道草を食ったり、それからもちろん意地の悪い友だちの冷評と楽書きの的となったりしつつ彼らは毎日愉快であった。
— 十一谷義三郎 『青草』 青空文庫
また、草双紙、錦絵類に役者の似顔絵を描くことが禁止され、劇場建築に大さの制限が設けられる等、禁令禁止相次ぐ有様で、それにつれて、俳優の或は追放に処せられ、或は住居を取毀され、或は手鎖をはめられ、殊に罰金の刑に科せられるものなど、殆ど寧日なきほどであつた。
— 岸田國士 『演劇と政治』 青空文庫
寛政のむかし山東庵京伝洒落本をかきて手鎖はめられしは、板元蔦屋重三郎お触にかまはず利を得んとて京伝にすすめて筆を執らしめしがためなりといひ伝ふ。
— 永井荷風 『書かでもの記』 青空文庫
過ち火を出しても手鎖五十日、地主、家主、月番行事、五人組から、風上二丁、風脇二丁の月行事まで、三十日乃至二十日の押込めといふ峻烈ぶりでした。
— 酒屋火事 『錢形平次捕物控』 青空文庫
過ち火を出しても手鎖五十日、地主、家主、月番行事、五人組から、風上二丁、風脇二丁の月行事まで、三十日|乃至二十日の押込めという峻烈ぶりでした。
— 酒屋火事 『銭形平次捕物控』 青空文庫
しぜん、おとよが希望すれば許さないわけにはいかなかった、という事情がわかり、結局は栄二の主張が認められ、清七は三十日の手鎖押籠めという処分にきまった。
— 山本周五郎 『さぶ』 青空文庫
「ぶしゅう、会いたいという者が来た」と岡安は云った、「手鎖を外してやるから出ろ」八の二 元締同心が自分で来たのは、否応を云わせないためだろう。
— 山本周五郎 『さぶ』 青空文庫