月白
つきしろ
名詞
標準
文例 · 用例
夜もすがら夜もすがら歌ふ鶯……月白き芝居裏、河岸の病院、なべて夜の疲れゆくゆめとあはせて、ウヰスラアーの靄の中音に鳴き鳴きてそこはかとなし。
— 北原白秋 『東京景物詩及其他』 青空文庫
四十三年五月 六月白い静かな食卓布、その上のフラスコ、フラスコの水にちらつく花、釣鐘草。
— 北原白秋 『東京景物詩及其他』 青空文庫
――花柑子咲く野も近み、月白ろむ葡萄畑の夜の靄に、土蜂の羽音、香の甘さ、青葉の吐息、情慾の誘惑深く燃え爛れ、仰げば空の七つ星紅く煌めき、南国の風さへ光る蒸し暑さ。
— 北原白秋 『第二邪宗門』 青空文庫
千九百十四年九月白秋真珠抄 短唱わが心は玉の如し、時に曇り、折にふれて虔ましき悲韻を成す。
— 北原白秋 『真珠抄』 青空文庫
童話の月白い月白い月ゆゑ、昼の千鳥もつれないか。
— 北原白秋 『第二海豹と雲』 青空文庫
是月白井孝右衛門、橋本、大井も亦署名す。
— 森鴎外 『大塩平八郎』 青空文庫
鍋焼うどんが東京に入り込んで来たのは明治以後のことで、黙阿弥の「嶋鵆月白浪」は明治十四年の作であるが、その招魂社鳥居前の場で、堀の内まいりの男が夜そばを食いながら、以前とちがって夜鷹そばは売り手が少なくなって、その代りに鍋焼うどんが一年増しに多くなった、と話しているのを見ても知られる。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
二十三年の七月、市村座――その頃はまだ猿若町にあった――で黙阿弥作の『嶋鵆月白浪』を上演した。
— 岡本綺堂 『源之助の一生』 青空文庫