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釣り床

つりどこ
名詞
1
標準
文例 · 用例
一年ぶりに母にあいて、絶えて久しきわが家の風呂に入りて、うずたかき蒲団に安坐して、好める饌に向かいて、さて釣り床ならぬ黒ビロードの括り枕に疲れし頭を横たえて、しかも夢は結ばれず、枕べ近き時計の一二時をうつまでも、目はいよいよさえて、心の奥に一種鋭き苦痛を覚えしなり。
徳冨蘆花 不如帰 小説 青空文庫
それに帆布は、大病人や、けが人のできたとき、つり床にも必要だ。
須川邦彦 無人島に生きる十六人 青空文庫
正面の上のかたには三尺の釣床、かけ花生けには白椿の一と枝がさしてある。
岡本綺堂 勘平の死 青空文庫
彼ほどのことはなかつたが彼女等も寝る時以外には靴をぬくこともなく、草摘みなどから帰つて来ると炉傍で喧がしい食事を済せて、泥のついた上着だけを脱ぎすてると其儘毛布にくるまつて釣床に眠ることが多かつた。
牧野信一 山を越えて 青空文庫
彼は、釣床に寝て書物を繙いたり、夜の頃に似た空想に耽つたりした。
牧野信一 籔のほとり 青空文庫
同時に樽野は、釣床の中で「沈鐘」を胸にしてうとうとしてゐた自分を見出した。
牧野信一 籔のほとり 青空文庫
樽野は、真つ赤になつて釣床から転げ降りた。
牧野信一 籔のほとり 青空文庫
彼は毛布を被つて釣床の中で石になつた。
牧野信一 籔のほとり 青空文庫