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旅中

りょちゅう
名詞
1
標準
文例 · 用例
魚臭き村に出けり夏木立 旅中の実咏である。
萩原朔太郎 郷愁の詩人 与謝蕪村 青空文庫
只此書は旅中見聞せる事を筆のついでにしるせるものにして、強て其事の虚実を正さず、誤りしるせる事も多かるべし。
太宰治 津軽 青空文庫
私のかいた海岸や砂丘や静かな北国の街々なぞの景情が友を遠い旅中の人として私の故郷を訪づれた。
萩原朔太郎 月に吠える 青空文庫
逸作に云わすと、画家が作品を携帯している以上、これを発表し度いのは山々のことであり、出来るだけ売って金を作ってやることは、旅中の画家に対して一番親切な仕方であるというのである。
岡本かの子 母子叙情 青空文庫
旬日に余る旅、しかも多く人の難とする険所をのみ選みし行なれば、旅中の珍談奇談山のごとし。
井沢衣水 本州横断 痛快徒歩旅行 青空文庫
それは旅中で知合になった遊歴者、その時分は折節そういう人があったもので、律詩の一、二章も座上で作ることが出来て、ちょっと米法山水や懐素くさい草書で白ぶすまを汚せる位の器用さを持ったのを資本に、旅から旅を先生顔で渡りあるく人物に教えられたからである。
幸田露伴 観画談 青空文庫
そのの旅中に在って食料が絶え、従える者達は病んで起き上がることも出来ない。
幸田露伴 悦楽(現代訳) 青空文庫
御息所の旅中の衣服から、女房たちのまで、そのほかの旅の用具もりっぱな物をそろえた餞別が源氏から贈られて来ても、御息所はうれしいなどと思うだけの余裕も心になかった。
源氏物語 青空文庫