沁沁
沁沁
名詞
標準
文例 · 用例
人生の薄暮をさ迷ひ歩いて、物靜かな日陰の小路に、さうした侘しい神神の祠を見る時ほど、人間生活のいぢらしさ、悲しさ、果敢なさ、生の苦しさを、侘しく沁沁と思はせることはないのである。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
実に今夜なども有難い位であつた、」と種田君は沁沁感じ入つて居つた。
— 平出修 『二黒の巳』 青空文庫
用なしのわたしは何かのついでには此の公園に来て、泉滴の音を聴いたり茶店に坐つたりしてゐたのだつたが、いま此処を去ると思ふと一さう沁沁した気持ちになつた。
— 室生犀星 『故郷を辞す』 青空文庫
歯がゆかつたが沁沁と身にこたへるものがあつた。
— 室生犀星 『故郷を辞す』 青空文庫