羇旅
きりょ
名詞
標準
travel
文例 · 用例
こんな時にはかたくななジュセッポの心も、海を越えて遥かなイタリアの彼方、オレンジの花咲く野に通うて羇旅の思いが動くのだろうと思いやった事もある。
— 寺田寅彦 『イタリア人』 青空文庫
羇旅佳興に入るの時汽車人を載せて大磯に帰る。
— 正岡子規 『旅の旅の旅』 青空文庫
三人は日ごとに顔を見合っていて気が附かぬが、困窮と病痾と羇旅との三つの苦艱を嘗め尽して、どれもどれも江戸を立った日の俤はなくなっているのである。
— 森鴎外 『護持院原の敵討』 青空文庫
わたくしは此年から五六年、図らずも羇旅の人となつたが、明治四十一年の秋、重ねて来り見るに及んで、転た前度の劉郎たる思ひをなさねばならなかつた。
— 永井荷風 『里の今昔』 青空文庫
それから右の表には出してないが、歌の部立、つまり分類も、『古今集』が春・夏・秋・冬・賀・離別・羇旅・物名・恋・哀傷・雑・雑体・大歌所御歌としてから、大体この方針が承け継がれた。
— 風巻景次郎 『中世の文学伝統』 青空文庫
「お前はきりょうがわるいから、愛嬌だけでもよくなさい。
— 太宰治 『葉』 青空文庫
きりょうが良いの、しとやかだのと、聞いて居られないくらいに見え透いたお世辞をおっしゃって、まるで私が、先生の目上の者か何かみたいに馬鹿叮嚀な扱いをなさるのでした。
— 太宰治 『千代女』 青空文庫
しかし、お君の連れ子の豹一がしっかり者であれば、娘の中で、一番きりょうの悪いのを嫁にやってもいゝと考えていた。
— 織田作之助 『雨』 青空文庫
作例 · 標準
旅愁を抱きつつ、見知らぬ土地での羇旅を楽しんだ。
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多くの文人がその羇旅の記録を詩や日記に残している。
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悠久の時を経て、羇旅の思い出だけが鮮やかに胸に残っている。
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風光明媚な土地を巡る羇旅は、心に深い感銘を与えた。
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