散居
さんきょ
名詞
標準
文例 · 用例
年頭、或は中元に、長上のいきみたまを祝福する為に、散居した子・子方等の集り来るのが、近世の藪入りの起りであるらしい。
— 折口信夫 『たなばたと盆祭りと』 青空文庫
海岸・野山の散居に、深寝入りを忌んだ昔の生活が、今も島人・山民などの間に残つて居る。
— 常世の国 『古代生活の研究』 青空文庫
信徒の一部は戦争中より日本に渡来居住せる者相当数あるものの如く、主として東海道沿線に分散居住するものの如し。
— 坂口安吾 『復員殺人事件』 青空文庫
一つは産小屋すなわち産所が穢れた場として捨てられていたところへ、浮浪民や落伍者が住みついたのであろうという旧説で、それもまんざら捨てかねたのであったが、今一つは、往々文字に「散所」と書いてある如く、一定の住居を有せず、所在に散居する浮浪民の謂いではなかろうかということであった。
— 喜田貞吉 『俗法師考』 青空文庫
官楽に対して民間の楽を散楽というのも、畢竟右の「散」の意味で、散田、散郷、散居などの文字はわが古書に少からずみえている。
— 喜田貞吉 『俗法師考』 青空文庫
篠山の城下町から、明治維新の廃藩後に俸録を離れてこの村落に散居した父の六男坊主に生れたのだが、実は生後百ヶ日の赤ん坊で、同藩の親戚の子供のない家に養子に送られ、阪神御影で育った。
— 平野零児 『丹波篠山』 青空文庫
字は散居とも参居とも三居とも書くが山居とあるのが多く、山居沢・山居野・山居森・山居館などというておる。
— 柳田國男 『地名の研究』 青空文庫