郊
郊
名詞
標準
文例 · 用例
西暦一九二五年夏東京の郊外にて著者愛憐詩篇夜汽車有明のうすらあかりは硝子戸に指のあとつめたくほの白みゆく山の端はみづがねのごとくにしめやかなれどもまだ旅びとのねむりさめやらねばつかれたる電燈のためいきばかりこちたしや。
— 萩原朔太郎 『純情小曲集』 青空文庫
喘ぐ馬を驅る 日曜の朝、毛竝の艶艶とした二頭の駿馬を驅つて、輕洒な馬車を郊外の竝木路に走らせる。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
それは或る新開地の郊外で、いちめんに廣茫とした眺めの向うを、遠く夢のやうに這つてゐた。
— 萩原朔太郎 『散文詩・詩的散文』 青空文庫
或る人たちは、郊外の明るい林を好んで、若い木の芽や材木の匂ひを嗅いでゐるのに、或る人は閑靜の古雅を愛して、物寂びた古池に魚の死體が浮いてるやうな、芭蕉庵の苔むした庭にたたずみ、いつもその侘しい日影を見つめて居る。
— 萩原朔太郎 『散文詩・詩的散文』 青空文庫
それは或る新開地の郊外で、いちめんに広茫とした眺めの向うを、遠くの夢のやうに這つてゐた。
— 萩原朔太郎 『散文詩集『田舎の時計 他十二篇』』 青空文庫
或る人たちは、郊外の明るい林を好んで、若い木の芽や材木の匂ひを嗅いでゐるのに、或る人は閑静の古雅を愛して、物寂びた古池に魚の死体が浮いてるやうな、芭蕉庵の苔むした庭にたたずみ、いつもその侘しい日影を見つめて居る。
— 萩原朔太郎 『散文詩集『田舎の時計 他十二篇』』 青空文庫
彼等の人生に於ける唯一の理想は、重役の娘と結婚して、郊外の文化住宅に住み、何も他に為すことがなく、新婚の妻と朝から晩までイチヤついて居たいのである。
— 萩原朔太郎 『流行歌曲について』 青空文庫
橋なくて日暮れんとする春の水 こうした春の郊外野景を描くことで、蕪村は特殊の画才と詩情とを有している。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫