急拵え
きゅうごしらえ
名詞
標準
文例 · 用例
急拵えの茶店からは大声に客を呼んでいた。
— 佐左木俊郎 『仮装観桜会』 青空文庫
しかしこう云う学問はなかなか急拵えに出来る筈のものでないから、少しずつ分かって来れば来る程、困難を増すばかりであった。
— 森鴎外 『かのように』 青空文庫
大きい寺には門前町があるが、ここにも門前の町屋が店をならべて、ふだんも相当に賑わっているところへ、今度の開帳を当て込んで急拵えの休み茶屋や、何かの土産物を売る店なども出来たので、ここらは場末と思われない程に繁昌していた。
— 夜叉神堂 『半七捕物帳』 青空文庫
花見の時節ももう近づいたので、ここらの農家の者が急拵えの店を作ったらしいが、まだ商売を始めているわけではなく、ほんの型ばかりの小屋になっている。
— 白蝶怪 『半七捕物帳』 青空文庫
以前、外国人である父の友達が滞在した時、ここの田舎町の家具屋で急拵えにつくつた箱のやうな寝台があつた。
— 牧野信一 『F村での春』 青空文庫
しかし折角私のために作って呉れたものではあり、頻りに勧められるので、私はその大きな急拵えのおはぎを二つか三つ食べて帰った。
— 河上肇 『御萩と七種粥』 青空文庫
ひっ削いで火に燻らせ、油壺の中へザンブリと入れたら、それで百本でも二百本でも、急拵えの竹槍が出来る。
— 国枝史郎 『天主閣の音』 青空文庫
帽子に着いている血の染と、急拵えの石の竈と、その傍に落ちていたセリ・インデヤ人の毒矢とを見れば、ジョン少年の運命は知れる。
— 国枝史郎 『加利福尼亜の宝島』 青空文庫