高張り
たかはり
名詞
標準
文例 · 用例
土間にムシロを敷いて、高張りの提灯を幾つも立てていた。
— 小林多喜二 『不在地主』 青空文庫
その時の「Y(谷中)村鉱毒問題大演説会」と筆太に書いたのぼりの間に、やはり何か書きつけた高張りの赤い火影がゆらめいて行く光景と、みんなの姿が見えなくなってからもまだしばらく聞えて来るお一二、お一二の掛声とは、今でもまだはっきりと僕の記憶に浮んで来る。
— 大杉栄 『自叙伝』 青空文庫
品川の一角、高輪の台、海を見下ろした高台に、宏大な屋敷が立っていて、大門の左右に高張り提灯が、二|棹威光を示していた。
— 国枝史郎 『十二神貝十郎手柄話』 青空文庫
」と五右衛門は、抜いた刀を肩に担ぎ、ヒラリと庭へ躍り出たが、見れば庭園の四方八方|蟻の這い出る隙間もなく鎧武者ヒシヒシと取り囲み、高張り提灯、松火、篝火、真昼の如く焔え光り、四辺は火事場のそれかのようどこに隠れる蔭場もない。
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫
高張り提灯を振り照らし、弓鉄砲をひっさげながら、無数の城方の捕り方達、さも恐ろしいというように、屋敷の四方からズッと離れ、ただ遠巻きに取り巻いている。
— 国枝史郎 『任侠二刀流』 青空文庫
と、行手から人声がし、十数人の人々が、抜き身の槍や、竹槍を持ち、高張り提灯を立てながら、こっちへ歩いて来る姿が見えた。
— 国枝史郎 『血煙天明陣』 青空文庫
」 間髪を入れず大門とざされ、閂のはいる音聞こえ、すぐに土塀越しに高張り提灯、抜き身の槍、薙刀ばかりか、火縄に火入れし鉄砲十数挺、威嚇的に差し出された。
— 国枝史郎 『血煙天明陣』 青空文庫
近火の場合には武家も町家も豪家になると、大提灯または高張りを家前なり、軒下に掲げ、目じるしとして人々の便を計りました。
— その頃の消防夫のことなど 『幕末維新懐古談』 青空文庫