都辺
みやこほとり
名詞
標準
文例 · 用例
又この人が京都辺の攘夷論者を捕縛して刑に処したることはあれども、是れは攘夷論を悪む為めではない、浮浪の処士が横議して徳川政府の政権を犯すが故にその罪人を殺したのである。
— 福翁自伝 『福翁自伝』 青空文庫
あちこち人形はいたんでいたが、しかし京都辺の細工師をして、修繕させたら修繕出来る程度の、意外にわずかな破損であった。
— 国枝史郎 『猫の蚤とり武士』 青空文庫
それで、非風氏もなるべく努力して一家を立てて、函館の新聞記者なども勤めることになったが、早くより肺病に罹っていたので、後には細君の実家近くの京都辺りへも流寓して、終に病死した。
— 内藤鳴雪 『鳴雪自叙伝』 青空文庫
宮廷の新室|寿きなる大殿祭・鎮魂祭・新嘗祭などに来る異装人、又は、京都辺の大社、平野・松尾などの祭りに参加する山人なども、一つ者であつて、山の神人だ。
— 折口信夫 『村々の祭り』 青空文庫
我々の幼い頃、京都辺で、夜、きむすめといふものがよく見えると言はれました。
— ――たまの問題―― 『万葉集に現れた古代信仰』 青空文庫
畢竟、室町・戦国以後、京都辺で称へた「松ばやし」は、家ほめに来る能役者の、屋敷内での行事及び路次の道行きぶり(風流)を総称したものと言へまして、元、田楽法師の間にも此が行はれて居たのであります。
— 折口信夫 『翁の発生』 青空文庫
此神がえびす神になつてゐる中部東岸の村の信仰は、其神の性格と名称との変化を、最自然に伝へたもので、此神に対する京都辺での平安末からの理会でも、えびす神と言ふ事になつて来てゐる。
— 熊本利平氏に寄す 『雪の島』 青空文庫
だから、ですの場合も、京都辺の流行語となつて、狂言に頻出するに到つたのは、所謂最古い台本時代のことではないかも知れぬのである。
— 折口信夫 『「さうや さかいに」』 青空文庫