待ち合わす
まちあわす
動詞
標準
文例 · 用例
「兄ちゃんからことづけは……」「ないわよ」 と、店の女の子は、日曜の夜は北野で待ち合わす男がいるのに、マダムの夏子がいつまでたっても帰って来ないので、出掛けられず、いらいらしていたのか、真赤に塗った唇が冷淡だった。
— 織田作之助 『土曜夫人』 青空文庫
しかしスグコイといったって、この頃の電報は当てにならないし、待ち合わす時間が書いてないし、電報を受け取られたあなたが、すぐ駈けつけて行かれるにしても、荒神口というところへ着かれるのが何時になるか、全然見当がつかないでしょう。
— 織田作之助 『郷愁』 青空文庫
自分は腰に鑿と槌を差してカンテラさえ提げてはいるが、坑夫志願というんで、シキの様子を見に這入っただけだから、まだ見習にさえ採用されていないと云う訳で、待ち合わす必要もないものと見えて、すぐこの溜を通り越した。
— 夏目漱石 『坑夫』 青空文庫
其処で、後から来た兄のセザレヴィッチを待ち合わすと、兄妹が自動車に乗ってしまう迄、主催者の貴婦人達と一緒に見送っていた。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
「それでは、今夜はただちに帰宅して休息いたし、明日早天に、山谷町出口の茶屋で待ち合わすことにいたそう」 淳庵は、座中を見回していった。
— 菊池寛 『蘭学事始』 青空文庫
そこは将軍に向かっても、また老中に向かってもすべて対面を求めるものの許可を得るまで待ち合わす所である。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
木曾谷一切の支配をつかさどるその役所には、すべて用事があって出頭するものの待ち合わすべき部屋がある。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
そこは応接間のかわりでもあり、奥座敷へ通るものが待ち合わすべき場処でもある。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫