永
ひさし
名詞
標準
文例 · 用例
予は又其空模様を永く見て居るに堪えないで家に入った。
— 伊藤左千夫 『大雨の前日』 青空文庫
作者たる自分は、どんな人間か判らなくなつて終つても、我作歌は永く人間界に存してあつてほしい。
— 伊藤左千夫 『『悲しき玩具』を読む』 青空文庫
おんもといい、あっこといい、おっちゃんといったその悲しい声は永遠に父の耳を離れてしまった。
— 伊藤左千夫 『奈々子』 青空文庫
何ほど念を入れて聞いても、絶対の静かさは、とうてい永久の眠りである。
— 伊藤左千夫 『奈々子』 青空文庫
再び動くということなき永久の静かさは、実に冷酷のきわみである。
— 伊藤左千夫 『奈々子』 青空文庫
永久なる眠りも冷酷なる静かさも、なおこのままわが目にとどめ置くことができるならば、千重の嘆きに幾分の慰藉はあるわけなれど、残酷にして浅薄な人間は、それらの希望に何の工夫を費さない。
— 伊藤左千夫 『奈々子』 青空文庫
母が永らくぶらぶらして居たから、市川の親類で僕には縁の従妹になって居る、民子という女の児が仕事の手伝やら母の看護やらに来て居った。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
ひた赤く赤いばかりで光線の出ない太陽が今その半分を山に埋めかけた処、僕は民子が一心入日を拝むしおらしい姿が永く眼に残ってる。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫