寝鳥
ねとり
名詞
標準
文例 · 用例
客の私が、却って浮寝鳥に枯柳の腰模様の着物の小皺もない娘の膝の上にハンケチを宛てがい、それから、鮨を小皿に取分けて、笹の葉を剥いてやらねばならなかった。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
夫はいつも通りわたくしに寝鳥の肌ぬくい締め立てでも銜えて来て、私の朝飯に食べさそうと、目白あたりまであさり廻るうち、鈍くも狐師の七蔵に生捕りにされたのでございます。
— 岡本かの子 『狐』 青空文庫
ちちろと歎く蓑虫も、蛍の尻もみな幽けし、なまじ寝鳥の寝もやらぬ春のこころの愁はしさよ。
— 北原白秋 『観相の秋』 青空文庫
なまじ寝鳥の寝もやらぬ春のこころの愁はしさよ。
— 北原白秋 『第二真珠抄』 青空文庫
三郎は寝鳥を取ることが好きで邸のうちの木立ち木立ちを、手に弓矢を持って見廻るのである。
— 森鴎外 『山椒大夫』 青空文庫
(遠近にて寝鳥のおどろき起つ声。
— 岡本綺堂 『修禅寺物語』 青空文庫
寝鳥のさわぐ音もきこえません。
— 岡本綺堂 『探偵夜話』 青空文庫
その筒音はあたりにこだまして、森の寝鳥がおどろいて起った。
— 岡本綺堂 『木曽の旅人』 青空文庫