紳
しん
名詞
標準
文例 · 用例
そういう時に彼女は、その紳士めかした化猫の尻尾をつかんで、街路に叩きつけてやりたいという、狂気めいた憎悪の激情に駆り立てられ、どうしても押えることができなかった。
— 萩原朔太郎 『ウォーソン夫人の黒猫』 青空文庫
」 二人づれの洋服紳士は、たしかに何所かの技師であり、建築のことを話して居たのだ。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
隣席の紳士は、吃驚したやうな表情をして、私の顏を正面から見つめて居た。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
次の停車場についた時、二人の紳士は大急ぎで席を立ち、逃げるやうにして降りて行つた。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
なぜならば西洋では、今日|尚民衆がその「紳士道」を有している。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
そして紳士道は、正しく騎士道の変化であって、言わば資本主義の下に近代化した武士道であるからだ。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
これによって西洋では、封建社会の亡びた後にも、尚その騎士道の精神が、新しき紳士道の様式で遺伝された。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
実に西洋の文明は、近代のあらゆるデモクラシイと女性化主義にもかかわらず、その紳士道を尊ぶ精神からして、本質上でいかに貴族主義のものかが解る。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫